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今年の新入社員は何を考えているか 調査データ・資料
今年の新入社員は何を考えているか 〜新入社員意識調査結果〜

 この調査は、北海道中小企業家同友会が今春開催した合同入社式と新入社員研修会(札幌、函館、旭川、帯広、北見)の参加者を対象に実施したアンケート結果をまとめたものです。男女別、学歴別の内訳は表1の通りです。

仕事の中に求める「人間的成長」の可能性

 『働く目的は何か』への回答で一番多かったのは、男女ともに「創造的に仕事をして、 自分の人間的成長をはかるため」でした(表2)。しかし男性34.0%に対し、女性は47.7%と昨年には及びませんでしたが,依然として高い割合を示しており、働くことと自己の成長を結びつける傾向がより強いことが伺えます。
 2位は男性が「幸せな家庭を築くため」、女性はこれを押さえ「趣味やレジャーを楽しむため」となっています。これは昨年も同様の傾向で、女性の方が自分の成長のためには、趣味等の教養が大切な要素と考えていることが伺えます。

企業を選ぶ三つのポイント「個性尊重」「将来性」「仕事内容」

 『会社を選んだ理由』への回答で一番多かったのは、男女ともに「自分の個性や能力を充分生かせると思ったから」。2位は男女共に「会社の将来性」をあげており、男性は第一位と6.8ポイントの差でしたが、女性は18.9ポイントの差がありました。
 また『会社に勤めるにあたり、特に確かめたものは何か』(表3)の問いには、男女ともに約四割が「仕事の内容」と答え、次いで「経営理念」、第三位は男性が「会社の業績」、女性が「職場環境」となっています。
 「あなたは今の会社にいつまで勤務しますか」の問いには、定年まで勤めるが男性46%、女性11.0%となっています。また、「自分で起業できるようになるまで勤める」男性13.1%、女性19.6%と女性の方が将来を見据えています。さらに「結婚するまで勤める」5.5%。「子供ができるまで勤める」0.5%と回答があり、必ずしも結婚や出産を契機に仕事を辞める理由になっていないようです。

望む会社像は「人間関係の良い会社」

 『どんな会社を望みますか』の問いでは「社内が明るく人間関係の良い会社」が男性36.4%で女性が43.8%となっています。第2位の「生きがいのある会社」と合わせると六割を超え、社内が明るく、人間関係が良好でやりがいのある会社像を望み、新入社員を迎える会社の「コミュニケーション能力」が求められています。

望む上司NO.1 は「人間的に尊敬できる人」

 『どのような上司を望みますか』(表4)の問いに、「人間的に尊敬できる人」が男女ともに四割を超え第1位でした。
 「実行力、統率力のある人」は男女とも、2位につけてはいるものの、1位との差は男性で16.17ポイント、女性で23.4ポイントとなっています。上司としては、実力派より人間としての器が求められているという興味深い結果となりました。
 また『仕事と余暇とどちらを重視しますか』の問いには男性の75.0%、女性の84.2%が「どちらも同じように大事」と答えています。「仕事が第一」の回答は男性15.2%、女性9.5%と男女間で少し差が出ました。

社会人一年生の社会への関心度は?

 『毎日、新聞を読んでいますか』の問いに、「読んでいない」が男性で74.2%、女性で80.5%となり、女性は8割を超えました。情報収集媒体はテレビ・ラジオが四割強程度である反面、インターネットの利用が男性で33.5%、女性で29.4%と、その差が肉薄しており、今後は同程度になると推測されます。
 また『関心のある社会問題』では、昨年は男女とも1位は景気動向でしたが、今年は事故、災害、犯罪、が男女とも20%を超えました。これは東北大震災の影響が色濃く反映されています。。
 総じて今春の新入社員は、厳しい就職戦線突破してきた経験から、せっかく入社した会社で仕事を通して自分自身が成長したいという意欲が感じられます。
 一方で職場の明るい人間関係や尊敬できる上司の存在を求めるなど、人間関係づくりに不安を抱えている様子もうかがえます。
 今回の調査から、企業を支えるパートナーとして、会社の理念をしっかりと示し、本人の成長の度合いを見守りながら温かく支援していくことが人を育てる上で大切な要素であることを読み取ることができます。
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