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債権管理と利益確保に力を入れ、全社一丸の体制づくりを 調査データ・資料
債権管理と利益確保に力を入れ、全社一丸の体制づくりを〜北海道地域景況調査結果(09年7〜9月期)概要と対応〜
 北海道中小企業家同友会の北海道地域景況調査結果(09年7〜9月期)が、このほどまとまりました(9月5日〜10日回答分)。

業況判断DIは、7.3ポイント改善するも楽観は禁物

 業況判断DI(「好転の割合」―「悪化の割合」)全業種合計は、前年同期比マイナス31.8と前期(09年4〜6月期)のマイナス39.1より、7.3ポイント改善しました(図参照)。09年10月〜12月期見通し(本紙4面第1表)も、マイナス25.9と5.9ポイント改善する見込みです。
 また、4期連続北海道が全国より良く、しかも改善幅は全国が6.7ポイント、北海道7.3ポイントと北海道の方が大きくなっています。これは、比較対象の前年同期の北海道が、原油・原材料の高騰で業況判断DI値がマイナス42.6と、全国のマイナス33.3を大幅に下回っていたためです。さらに、政権交代による景気対策への影響を心配する声もあり、楽観は許されません。
 なお、今回の調査の主なデータは本紙4面に掲載。

全業種が好転、特に「流通・商業」の改善ぶりが目立つ

 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が前期より6.2ポイント改善のマイナス33.3、製造業も5.0ポイント改善してマイナス40.6、流通・商業は12.2ポイントの改善、サービス業が1.4ポイントの改善と、全業種で改善しています。
 しかし、流通・商業の大幅な改善に対し、サービス業が小幅な改善に留まるなど、明暗がわかれました。

利益重視の傾向が強まる

 全業種合計の売上高DI(「増加の割合」―「減少の割合」)は、今期(09年7〜9月期)がマイナス40.2と前期より1.9ポイント改善、一方経常利益DIは7.7ポイントも大幅に改善し、利益重視の傾向が伺われます(第2表第3表参照)。ただ、サービス業のみが、売上高DI(前期比8.9ポイントの悪化)、経常利益DI(1.9ポイントの悪化)とも悪化しており注目されます。
 さらに、全業種合計仕入単価DI(「上昇の割合」―「下降の割合」)は、今期がマイナス4.9と前期より1.0ポイント下がりました。反面、販売単価DI(「上昇の割合」―「下降の割合」)は、前期より7.1ポイント改善し、過度な価格競争を避けようと努力している様子が伺われます。とりわけ、製造業と流通・商業の販売単価DIの改善が目立ちます(第5表参照)。
 資金繰りDI(第4表参照)では、建設業のみ前期より9.4ポイントも悪化しており、気にかかります。

債権の管理と利益確保に力を入れる

 厳しい経営環境に対し、足元を固めながら、新市場の開拓などに積極的に取り組む姿勢が伺われます。
 第1に、債権の管理を徹底し、貸倒れを防ぐことです。「売掛債権のチェックを徹底し、貸倒れを防ぐ努力をした」(包装資材卸売業)「手形を現金で回収し、手形商法からの撤退をはかり、不渡りによる倒産のリスクを回避」(建設業)など、債権管理に力を入れるとの記述が目立ちました。
 第2に、取引先の見直し、コスト削減などにより、利益の確保に努めることです。「大口取引先への依存度を下げ、収益を小口分散化するため、社員の営業力強化を図っている」(住宅設備機器の販売)「受注量が伸びないため、少しでも利益のある商品への切り替えを考え宣伝している」(理化学機器卸売)「製品ロス率の低下。不良在庫を持たない」(菓子製造)などです。
 第3に、大手との差別化、新規事業、新たなサービス・商品の開発に取り組むことです。「地産地消に努め、大手と差別化を図る」(弁当製造小売)「新規事業として、農産物のネット販売に力を入れた」(卸売業)
 「新たなサービス、商品等の研究開発に重点を置く」(金属製品製造)などの積極的に対応する声も寄せられています。

〈調査要領〉
調査時点 中小企業家同友会全国協議会が2009年の9月5日〜15日に実施した景況調査に合わせておこなった。
調査対象と回答企業 全国では2,435社から1,033社の回答、北海道は地域・業種を勘案して抽出した600社の会員企業から191社の回答を得た。
平均従業員数(役員含む・パートを除く) 全国38.7人 全道43.2人
※DI値は特に断りのない限り前年同期比。▲はマイナスを示す。
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