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早めの資金対策で「価格競争の激化」に対応できる万全の体制を 調査データ・資料
早めの資金対策で「価格競争の激化」に対応できる万全の体制を〜北海道地域景況調査結果(09年4〜6月期)概要と対応〜
 北海道中小企業家同友会の北海道地域景況調査結果(09年4〜6月期)が、このほどまとまりました(6月5日〜15日回答分)。
業況判断DIの改善は、前年同期が最悪だった反動

 業況判断DI(「好転の割合」―「悪化の割合」)全業種合計は、前年同期比マイナス39.1と前期(09年1〜3月期)のマイナス44.9より、5.8ポイント改善しました(図参照)。09年7月〜9月期見通し(本紙4面第1表)も、マイナス30.6と今期より8.5ポイント改善する見込みです。
 また、3期連続全国が北海道より悪く、しかも改善幅は全国が3.5ポイント、北海道5.8ポイントと北海道の方が大きくなっています。これは、北海道の景気回復が全国より速いためではなく、比較対象の前年同期の北海道が、原油・原材料の高騰で業況判断DI値がマイナス44.7(全国マイナス30.0)と最悪の状況だったからです。
 なお、今回の調査の主なデータは本紙4面に掲載しています。

建設業、サービス業の改善が目立つ〜流通・商業は前期より悪化〜

 業況判断DIは、建設業が前期より19.4ポイント改善のマイナス39.5、サービス業も11.4ポイント改善してマイナス23.1、製造業も5.2ポイントの改善となっています(4面第1表参照)。
 反面、流通・商業のみが前期より1.8ポイント悪化しています。これは、昨年の同時期に石油、原材料が高騰し、昨年同時期の業況判断DI値は、建設業マイナス60.8、製造業マイナス51.0、サービス業マイナス44.5と悪化の水準が極めて高かったのに比べて、流通・商業がマイナス31.8に留まっていたことの反動だと思われます。

製造業、流通・商業の価格競争が激化

 全業種合計の売上高DI(「増加の割合」―「減少の割合」)は、今期(09年4〜6月期)がマイナス42.1と前期より1.6ポイント悪化、逆に経常利益DIは2.5ポイント改善しています(4面第2表第3表参照)。
 さらに、全業種合計仕入単価DI(「上昇の割合」―「下降の割合」)は、今期がマイナス3.9と2006年(4〜6月期)の調査開始以来、初めてマイナスに転じました。販売単価DI(「上昇の割合」―「下降の割合」)も、前期より9.8ポイント減少のマイナス44.6と価格競争の激化が伺われます。とりわけ、製造業と流通・商業が厳しさを増しています(4面第5表参照)。

付加価値を高め、他社との連携も視野に入れて

 かつてない厳しい経営環境への対応では、会員企業の積極的な取り組みが伺われます。
 第1に、技術力を高め、経費の削減をはかり、付加価値の高い製品・仕事づくりに努めることです。
 「付加価値の高い特命工事の受注に注力」(建設業)「付加価値を高めるため、技術・技能の研鑽に力を入れる」(各種プラント製造)など、価格競争に巻き込まれないための対応策が多く寄せられています。
 第2に、営業力の強化、新商品開発、新規開拓、新事業に力を入れることです。
 「現場技術者の営業活動を強化し、提案型営業、複合受注に努力」(建設コンサルタント)「客層を絞り、ターゲットを決めて商品開発」(弁当製造小売)などの記述が目立ちました。
 第3に、他社との連携・提携をはかり、経営環境の変化に積極的に対応することです。
 「新規事業分野において、道内3社と連携し、協力体制を確認した」(管工事業)「同友会会員同士の取引を強化し、少しでもお互いの力をつけていきたい」(サービス業)など、他社との連携をはかり、経営環境の変化に前向きに対応する試みも特徴的でした。
 第4表の資金繰りDI(「余裕の割合」―「窮屈の割合」)は、前期より5.7ポイント悪化しています。

〈調査要領〉
調査時点 中小企業家同友会全国協議会が2009年の6月5日〜15日に実施した景況調査に合わせておこなった。
調査対象と回答企業 全国では2,448社から1,058社の回答、北海道は地域・業種を勘案して抽出した600社の会員企業から210社の回答を得た。
平均従業員数(役員含む・パートを除く) 全国40.4人 全道40.0人
※DI値は特に断りのない限り前年同期比。▲はマイナスを示す。

※参考

○DOR業況判断DIの推移(全業種、前年同期比)
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