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原油・原材料高騰に関する緊急要望 調査データ・資料
 当会では、「原油・原材料の高騰に関する緊急アンケート調査結果」とそれをもとにまとめた「原油・原材料高騰に関する緊急要望」を知事、道議会議長、各政党道本部に届け、協力を要請しました。
 また、福田総理大臣、二階経済産業大臣、道内選出の衆参国会議員全員に「要望書」等を郵送しています。
○原油・原材料高騰に関する緊急要望(PDF:116KB)

○原油・原材料高騰に関する緊急アンケート用紙(PDF:80KB)

○原油・原材料高騰に関する緊急アンケート調査結果(PDF:100KB)

原油・原材料高騰に関する緊急要望〜原油・原材料高騰に関する緊急アンケート調査結果〜
原油・原材料高騰に関する緊急要望
2008年8月
〈北海道中小企業家同友会の概要〉
・創立:1969年11月
・代表理事:三神純一((株)エミヤ 代表取締役会長)
        守 和彦((株)ダテハキ 代表取締役)
        本郷利武((株)ユタカ商会 代表取締役)
・会員数:約5000社(12支部)
・支部:札幌、しりべし・小樽、南空知、帯広、釧路、根室、南しれとこオホーツク、旭川、
 苫小牧、西胆振、函館
・会員企業規模:平均資本金 4285万円 平均従業員数 44名
中小企業家同友会は、経営者の自助努力による経営の安定・発展と、中小企業を取り巻く経営環境を改善することに努め、47都道府県にある中小企業家同友会で中小企業家同友会全国協議会(略称・中同協 会員数・約4万社)を結成している
はじめに
 当会では、さる8月1日、全道5000社会員を対象に「原油・原材料の高騰に関する緊急アンケート」を実施しました。一週間という短期間で、1300社を越える回答があり、この問題に対する中小企業への影響の深刻さを示しています。業種を問わず、原油・原材料価格の高騰が中小企業経営を直撃、仕入価格の上昇を販売価格に転嫁できず、諸経費の削減などに務めているものの自主的努力も限界で早急な公的支援や対策を望みたい、というのが中小企業の切実な声です。(アンケート調査の結果は別紙参照
 北海道の中小企業は道内企業の99.8%を占め、道内常用雇用者の83.4%が中小企業で働いています。その中小企業は、2001年の185,314社から2006年の166,252社へと5年間で19,062社も減っており、激変する経営環境のもとで存亡の危機に直面しています。このままでは、道民の暮らしや北海道経済に計り知れない影響を与えます。北海道経済の背骨である中小企業の活力を取り戻すために、当面、緊急に以下のような公的な支援や対策を関係機関に要望するものです。

1.緊急対策として、灯油・ガソリン・軽油・重油などの税率を軽減すること
 灯油・ガソリン・軽油・重油価格などの急騰は、国民の暮らしや中小企業経営に深刻な影響を与え、不安を掻き立てています。とりわけ、これから冬場の需要期を迎える北海道にとって、昨年より70%以上も高騰する灯油価格(昨年10月1リットル82円、今年140円の予想)は道民の暮らしを直撃し、命に関わる事態も予想されます。道民の暮らしや中小企業経営への打撃を緩和する緊急対策として、石油類の税率軽減を要望します。

2.セーフティネット貸付の業種指定を取り払い、原油・原材料高騰に苦しむすべての業種の中小企業を支援する低利・長期(10年以上)・無担保・第三者保証不要で別枠の公的緊急融資制度の拡充を
 原油・原材料の高騰は、あらゆる業種の中小企業に深刻な影響を与えており、業種指定をしたセーフティネット貸付では実態に合いません。原油・原材料高騰で困難な経営に直面している中小企業を支援する、低利・長期(10年以上)・無担保・第三者保証不要・業種指定なしで別枠の公的融資制度の拡充を要望します。

3.「優越的地位濫用」による価格押しつけや、大企業の便乗値上げへの監視の強化を
 中小企業が、仕入れ製品の一方的な値上げの受け入れを余儀なくされ、仕入価格の上昇を販売価格に転嫁できない背景に、「優越的地位濫用による価格押しつけ」があります。また、大企業の便乗値上げも懸念されます。関係機関が、「優越的地位濫用による価格押しつけ」や「大企業の便乗値上げ」への監視を強化することを要望します。

4.省エネ投資をする中小企業への助成・支援策の充実を
 今、中小企業は社内の知恵を集めて様々な省エネ対策に取り組んでいます。条件をつけず、省エネ効果を発揮するすべての設備投資を公的に助成・支援する利用しやすい制度の拡充を望みます。

5.政府は関係国と連携し、原油・原材料への国際的な投機を防止する有効な対策を早急に取ること
 経済産業省の「エネルギー白書」や「通商白書」でも、原油・原材料急騰に国際的な投機マネーが深く関わっていると分析しています。早急に政府が関係国に働きかけ、原油・原材料への国際的な投機を防止する対策を講じて下さい。
以上


原油・原材料高騰に関する緊急アンケート調査結果
2008年8月19日
 この調査結果は、直前に別調査を実施した帯広支部を除く、全道の全会員 4,382社を対象に、8月1日「原油・原材料高騰と対応に関する緊急アンケート」(別紙参照)を実施し、8月11日までに回答のあった1,313社についてまとめたものです。地域別、業種別の回答数は第1表の通りです。

1.仕入単価アップの企業は86%、51%の企業は販売価格に転嫁できず〜厳しさ目立つ運輸、サービス、建設業〜

 昨年6月期と比較して、仕入単価が「上昇」と回答した企業の割合は、全業種で85.6%、年内の見通しでも82.6%の企業が「上昇」すると答えています(第2表参照)。一方、販売単価が「上昇」との回答は28.6%にすぎません(第3表参照)。「販売価格への転嫁状況」(第6表)をみると、「ほぼ転嫁」6.9%、「一部転嫁」39%、「できていない」が51.3%と半分以上を占め、中小企業の厳しい実態を浮き彫りにしています。とりわけ、「サービス業」「建設業」「運輸業」の厳しさが目立ちます。

2.61%の企業が減益、増収企業は21%に留まる〜運輸業は81%が減益〜

 昨年6月期と比較して、売上高が「増加」した企業が21.2%、「横ばい」31.6%、「減少」が46.5%にも達します(第4表参照)。経常利益では、「減少」と回答した企業が60.5%に達し、「増加」企業は10.4%にすぎません(第5表参照)。特に「運輸業」は、81%の企業が「減少」となっています。

3.悩みは「販売価格に転嫁出来ない」「仕入の一方的値上げ」「経費の増大」〜鋼材とバターは依然入手難〜

 「原油・原材料高騰に関する悩み」(第7表)では、「販売価格に転嫁できない」(24.5%)「仕入先製品の一方的値上げ」(21.4%)「諸経費の増大」(21.1%)「消費の冷え込み」(18.2%)が多くなっており、仕入価格と諸経費の増大を販売価格に転嫁できず、さらに消費者の生活防衛で思うように売上も伸びずに呻吟する中小企業の姿が痛いほど伝わってきます。
 また、「一部の原材料が手に入りにくい」との悩みも2.9%あり、特に「鉄骨・鉄筋・鋼材」(20社)「バター等の乳製品」(14社)が目立ちました(第8表参照)。

4.「経費の削減」に努め、「販売価格への転嫁」をねばり強く進めて、原油・原材料高騰に対応〜自助努力も限界、公的支援を

 「原油・原材料高騰への対応」(第9表参照)では、「諸経費の削減」(29.9%)「販売価格への転嫁」(20.2%)「省エネ対策」(13.9%)「人件費の削減」(10.5%)の順になっています。また、「自助努力も限界、公的支援を」の声も8.3%、270社あり、早急な公的支援策が求められます。

5.「石油製品の税率低減」と「国際的な投機防止対策」「中小企業への緊急融資」を望む〜当面の緊急対策と景気対策を結合した政策を〜

 「国などに望むこと」(第10表)では、「灯油・ガソリン・軽油などの税率低減」が31.8%と最も多く、「投機を防止する対策」(29.0%)「中小企業への公的な緊急融資」(14.5%)「優越的な地位濫用による価格押しつけの是正」(12.8%)「大企業への便乗値上げへの監視と指導」(11.4%)と続いています。

 自由記入欄には、「石油製品の税率低減を」「大手メーカーや大手小売店の横暴は目に余る」「新規事業や省エネ投資への助成金の拡大と条件緩和を」「役所の入札価格に原材料上昇分の算入を」「公共事業を増やし、地元資本に優先発注を」「地域格差を是正し、個人消費が上向く政策の実施を」など、たくさんの切実な声や要望が寄せられています。
 政府をはじめ関係機関には、原油・原材料高騰に対する緊急対策と個人消費が上向き景気が良くなる根本的な対策を結合した政策の実施を、早急に望みたいものです。
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