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水面下ながら改善傾向を示す業況判断、しかし当面は楽観を許さず 調査データ・資料
今年の新入社員は何を考えているか 〜2006年新入社員の意識調査結果〜

 この調査は、中小企業家同友会全国協議会が四半期ごとに実施している「同友会景況調査(DOR)」に合わせて、北海道の実態をつかむために今回初めて行ったものです。調査時は2006年6月5日〜15日、全国の調査は、全国の会員企業の中から2,366社を選びアンケートを送り、990社より回答を得ました(北海道分は127社)。
 北海道独自の集計は、会員企業(4,940社)の中から、地域・業種を勘案して、600社(全国調査対象企業210社、北海道のみの対象企業390社)を抽出しアンケートを発送、回答を得た290社をまとめたものです。役員を含む正規従業員の平均は36.6人(全国37.2人)です。

1.業況判断DIの推移は、水面下ながら改善の傾向を示すが、当面は予断を許さず

 第1表は、この5年間のDOR調査北海道分の業況判断DI(「好転の割合」マイナス「悪化の割合」の数値)の推移をみたものです。ジグザグはあるものの、傾向としては、水面下ながら改善の方向を示しています。
 しかし、第2表の今年の4月〜6月期の業種別合計業況判断DIは、マイナス11.0、次期見通しがマイナス13.5と悪化するとみています。全国がマイナス1.2からプラス2.0に好転するのとは対照的です。業況水準も4月〜6月期マイナス21.4、次期見通しがマイナス17.9と依然厳しい状況です。さらに、原油、鉄、銅など原材料価格の上昇などもあり、楽観は禁物です。

2.売上高よりも、経常利益確保に悩む

 売上高DI(第3表)では、4月〜6月期がマイナス12.9、次期見通しマイナス3.2、一方採算(経常利益)DI(第4表)は同じくマイナス20.3からマイナス11.1と、共に改善の傾向を示しているものの、利益確保の厳しさが伺われます。その原因は、全国と比較して仕入単価DIがほとんど差がないのに、販売単価DIは5.2ポイントも悪いことから、価格競争の厳しさにありそうです(第5表参照)。

3.全体として製造業、建設業の厳しさが目立つ

 業種別にみると、4月〜6月期の業況判断DI(第2表)は、製造業マイナス19.0、建設業マイナス18.7、同じく売上高DI(第3表)は製造業マイナス25.0、建設業マイナス16.1、採算DI(第4表)が製造業マイナス42.1、建設業19.7など、全体として製造業、建設業の厳しさが目立ちます。一方全国では、製造業が最も好調な業種であり注目されます。北海道の製造業の中でも機械・金属関係が悪くなっていますが、これは建設に関連した製品を作っている企業が多いことと、鉄、銅などの原材料が値上りしているためでしょう。(第5表仕入単価DI参照)

4.人手も設備も不足感、資金繰りはやや窮屈に

 第6表の全道の人手の過不足DI、設備の過不足感DI、現在の資金繰りDIをみると、人手の過不足では、建設業を除く企業種で不足、特にサービス業の不足感が強く、札幌よりも札幌以外の方が不足感が強くなっています。設備過不足感では、業種別合計をみると北海道、全国ともマイナス10.4と同じであり、サービス業(マイナス28.6)、従業員100人以上(-29.4)、20人未満(-23.3)、札幌以外(-12.5)などの不足感が目立ちます。
 一方、現在の資金繰りDIでは、全国の4.9に対し、北海道は-2.8とやや窮屈感があるようです。特に建設業(-10.9)、従業員20人未満(-22)、札幌(-9.2)の窮屈度が高くなっています。

5.社員教育に力を入れ、新規開拓、付加価値の増大をはかる

 「経営上の力点」では、最も多いのが「新規受注の確保(64.8%)」次いで「付加価値の増大(44.8%)」「社員教育(29.3%)」の順になっています。「本州市場の開拓が売上増につながった。さらに営業力を重点的に本州市場へ投入したい」「新規事業への参入」「社員への経営理念の浸透をはかる」「社員教育に力を入れ生産性の向上をはかった」など、道外市場や新規事業の開拓、社員教育などで難局を突破しようとする熱い決意が伝わってくる記述も多くありました。
 一方、「更に金利が上昇し、公共事業の減少で民間事業も採算割れが生じている。このままでは中小建設業者は生きていけない」との悲痛な声もあり、地域経済を盛り上げていく抜本的な施策が急務です。
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