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今年の新入社員は何を考えているか 調査データ・資料
今年の新入社員は何を考えているか〜2002年新入社員の意識調査結果〜

 このレポートは、北海道中小企業家同友会(代表理事三神純一、会員数4,943社)がこの春に開催した合同入社式(札幌、旭川、函館、帯広などで開催)や、新入社員研修会の参加者を対象に実施したアンケート調査の結果をまとめたものです。

1.「労働観」に変化の兆し

 「働く目的は何か」(第1図)をみると、昨年同様「創造的に仕事をして、自分の人間的成長をはかるため」(男性43.3%、女性47.8%)が第一位を占めています。
 しかし、昨年と比較すると男性では、「創造的に仕事をして、自分の人間的成長をはかるため」が3ポイント減り、「趣味やレジャーを楽しむため」(7ポイント増)や「幸せな家庭を築くため」(4.3ポイント増)が大幅に増えています。さらに、「社会に意義のあることを見つけ、社会をよりよくするため」が、昨年より3.3ポイントも減っており注目されます。
 一方、女性も「創造的に仕事をして、自分の人間的成長をはかるため」が、昨年より4.4ポイント減り、「幸せな家庭を築くため」が7.7ポイントも増えるなど、男女とも労働観に変化が見られます。
 働くことと人間の成長との関わり、社会的意義などの視点が弱まり、趣味やレジャー、家庭などの極めて個人的な側面から「働く」ことをとらえる傾向がうかがわれます。

2.「入社の動機」も微妙に変化

 「今の会社を選んだ理由」(第2図)では、第一位が男女とも「自分の個性や能力を充分生かせると思ったから」(男性38.6%、女性36.5%)、第二位が「会社に将来性があると思ったから」(男性25.5%、女性19.6%)と昨年と同じです。
 しかし、昨年と比較すると「会社に将来性があると思ったから」が、男性で3.5ポイント減、女性で5.9ポイント減と大幅に減った反面、「人に勧められたから」が男性で3.1ポイント増、女性で9.3ポイント増と大幅に増えています。まわりの人の評価や評判が、会社を選ぶ基準の重要な要素になってきたようです。
 「今の会社に勤めるにあたり、特に確かめたもの」(第3図)では、昨年同様、男女とも第一位が「仕事の内容」になっています。ただ、昨年と比較すると「経営者の経営理念」が男性9.2ポイント減、女性10.4ポイント減と大幅に減少し、逆に「給料、ボーナス、昇給」「勤務時間、休日、休暇」が男女とも増えており、注目されます。
 「就職戦線は厳しい」と言われる中で、「労働条件重視」の傾向が強まっていることに注意を払う必要があるでしょう。


3.新入社員が望む理想の会社像

 「理想の会社像」(第4図)をみると、男女で若干の差が見られます。男女とも第一位が「社内が明るく人間関係のよい会社」(男性47.1%、女性43.2%)となっていますが、第二位は男性が「専門技能、知識が取得でき、自分を伸ばせる会社」(19.7%)、女性は「自分の時間がきちんと持てる会社」(20.2%)になっています。
 昨年と比較すると、男性が「社内が明るく人間関係のよい会社」が6ポイント増になっているのに対し、「地域社会に貢献できる会社」は三・一ポイントも減っています。女性は、「専門技能、知識が修得でき、自分を伸ばせる会社」が4.1ポイント減少し、逆に「自分の時間がきちんと持てる会社」が4.1ポイントも増えています。全体として、スケールが小さくなっているようです。

4.「人間的に尊敬できる」が共通する理想の上司〜男女、学歴で大きな差〜

 「どのような上司を望むか」(第5図a)をみると、男女、学歴の違いを越えて、「人間的に尊敬できる人」が第一位を占めています。しかし、その他の項目では、男女、学歴によって大きな差があります。サンプル数の多い高卒と大卒を男女別に比較してみると、高卒の男性では、「若者の気持をよく理解してくれる人」が23.5%、一方女性は30.0%と6.5ポイントも多く、逆に「個人の生活の面まで、いろいろ相談にのってくれる人」では男性が女性よりも9.1ポイントも多くなっています。
 大卒では、「実行力、統率力がある人」が男女とも高卒よりかなり多くなっています。大卒の「仕事について厳しく指導してくれる人」の割合が、男女とも昨年より大幅に減っており、注意を要します。
 高卒では、「人間的に尊敬でき、若者の気持を理解してくれる上司」、大卒では「人間的に尊敬でき、実行力・統率力のある上司」が望ましい上司像になるようです。

5.「景気動向」「失業問題」などに心を痛める

 「関心のある社会問題」(第7図)をみると、男性が「景気動向」「失業問題」「政治問題」の順に多くなっています。女性は、「事故、災害、犯罪」「失業問題」「景気動向」の順になっており、若干の差があります。


※参考

第6図 あなたは毎日、新聞を読んでいますか
回収されたアンケートの枚数と内訳
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