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業況判断は4〜6月期調査より6.9ポイントも悪化 調査データ・資料
業況判断は4〜6月期調査より6.9ポイントも悪化 〜北海道地域景況調査(2006年7〜9月期)概要〜
1、業況判断DIは大幅に悪化 〜特に建設業、サービス業の悪化が目立つ〜

 2006年7〜9月期調査では、第1表の業況判断DI(「好転の割合」−「悪化の割合」)は、全業種合計で4〜6月期調査の▲11.0から▲17.9へと6.9ポイントも悪化(全国は▲1.2から▲0.1に少し改善)、地域別では競争激化による販売単価の下落(第5表(2)参照)もあって、札幌地域が札幌以外よりも4.4ポイントも悪く注目されます。
 第1表の業況判断DIを業種別にみると、すべての業種で4〜6月期調査より悪化していますが、とりわけサービス業は▲11.1→▲35.9と24.8ポイントの悪化、建設業が▲18.7→▲31.2と12.5ポイントの悪化で2業種の厳しさが目立ちます。一方全国では、サービス業が▲2.8→4.1と6.9ポイントも改善、建設業も▲8.9→▲8.2とやや改善しており、北海道とは対照的です。これは、北海道では公共事業の依存度が高いことと、サービス業の中に建設コンサルタント・建築設計事務所などの建設関連業が少なからず含まれているためです。
 10〜12月期の見通し(第1表)をみると、北海道の全業種合計業況判断DIは7月〜9月期の▲17.9から▲21.5へ3.6ポイント悪化、一方全国は▲0.1から6.2へ6.3ポイント改善となっており、北海道の厳しさが伺われます。

2、売上高DI、経常利益DIは製造業を除いて悪化

 第2表の売上高DI(「増加の割合」−「減少の割合」)全業種合計では、4〜6月期調査の▲12.9から7〜9月期の▲17.4と4.5ポイント悪化、一方全国が0.4→5.2と4.8ポイント改善し格差が拡大しています。業種別では、建設業とサービス業の悪化が目立つ反面、製造業が▲25.0→▲10.2と14.8ポイント改善しています。
 第3表の経常利益DI(「増加の割合」−「減少の割合」)全業種合計は、4〜6月期調査の▲20.3から7〜9月期の▲21.8と1.5ポイント悪化、全国も▲4.9から▲5.9と1ポイント悪化しています。原材料等の仕入れ単価の上昇を販売単価に転嫁できていないこと(第5表参照)や金利の上昇が利益を圧迫していることが伺われます。業種別では、売上高と同じく建設業、サービス業が大幅に悪化、一方製造業が▲42.1→▲22.1と20.0ポイントも改善しています。
 製造業の売上高DI・経常利益DIの大幅改善は、4〜6月期調査では最悪の業種になっており、厳しい局面を打開するためにオリジナル製品の開発、新規開拓、生産性の向上などに努めてきたことが、実を結びつつあることの反映と思われます。
 第4表の採算水準DI(「黒字企業の割合」−「赤字企業の割合」)は、4〜6月期調査の6.3から7〜9月期の20.4と14.1ポイントも改善していますが、7、8月が好天に恵まれたことや、製造業の改善が影響しているようです。

3、「人手不足感」が強まり、建設業では資金繰りに窮屈感、金利も上昇傾向 〜求められる経営環境の改善〜

 第6表(1)の業種別人手の過不足DI(「過剰の割合」−「不足の割合」)をみると7〜9月期は、4〜6月期調査より4.2ポイントもマイナス幅が増え、不足感が強まっています。特に建設業は、4〜6月期の8.3から▲8.3と過剰感から不足感に転じ、製造業では4〜6月期調査より10.3ポイントも不足の割合が多くなっています。従業員規模別では50人未満、札幌以外よりも札幌地域の不足感が強いのが特徴です。
 第6表(2)の設備の過不足DI(「過剰の割合」−「不足の割合」)は、4〜6月期調査とほとんどかわらず、第7表の資金繰りDI(「余裕の割合」−「窮屈の割合」)の7〜9月期では、建設業が4〜6月期調査より8ポイントも窮屈感が高まっており気にかかります。7〜9月期の借入金利DI(「上昇の割合」−「低下の割合」)は、長期が4〜6月期調査より24ポイント、短期が26ポイント上昇しています。
 経営上の力点では、新規受注の確保(63.0%)、付加価値の増大(43.1%)、社員教育(30.5%)の順になっており、4〜6月期調査とほぼ同じです。政策上の要望では、「地方経済の活性化と中小企業支援策の強化」「原油価格、金利の抑制」「消費税率の引き下げ」など、切実な声が寄せられています。

〈調査要領〉
調査時点 中小企業家同友会全国協議会が2006年の9月5日〜15日に実施した景況調査(DOR)に合わせておこなった。
調査対象と回答企業 全国では2402社から1001社の回答、北海道は地域・業種を勘案して抽出した600社の会員企業から262社の回答を得た。
平均従業員数(役員含む・パートを除く) 全国40.8人 全道43.2人
 ※ DI値は特に断りのない限り、前年同期比。▲はマイナスを示す。

※参考

○DOR業況判断のDIの推移(全業種、前年同期比)
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