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依然、景気回復の実感なく、利益確保に悩む 調査データ・資料
依然、景気回復の実感なく、利益確保に悩む〜道内中小企業の経営実態調査結果〜

 この調査は、当会会員企業(会員数4,862社)の中から1,500社を地域業種を勘案の上、無作為抽出して2005年11月1日にアンケートを発送、11月25日までに回答のあった284社についてまとめたものです。
 なお、回答企業の平均資本金(全道)は3,899万円、平均従業員数(全道)が38.7人となっています。

1.「「売上DI」(全道)は期を追うごとに悪化〜「札幌」と「札幌以外」では大きな差〜

 第1表−aの売上DI(前年同期と比較した「増加」企業の割合から「減少」企業の割合を差し引いた数値)をみると、全道で「4〜6月期」マイナス7.2、「7〜9月期」マイナス10.5、「10〜12月期予想」がマイナス16.1と期を追うごとに悪化しています。
 一方、「札幌」と「札幌以外」と比較すると、「札幌以外」が大幅に悪くなっています。ただ、「札幌」の「4〜6月期」の売上DIは、プラス4.3とかなり好転しているように見えますが、「横バイ」は46.5%と半分近くあり、必ずしも好転していると言えません(第1表−b参照)
 「業種別売上DI」(第2表)では、「運輸・倉庫」「建設関連業」のマイナス幅が、とりわけ大きくなっています。特に「運輸・倉庫業」の「10〜12月期予想」ではマイナス44.4と大幅に悪化する見通しです。過当競争による価格の下落がその要因と思われます。

2.「利益確保」はさらに難しく

 「地域別経常利益DI」(第3表)の「全道」では、各期ともマイナス20前後で推移し、「売上DI」よりかなりマイナス幅が大きく、「利益確保」の難しさが伺われます。
 「業種別経常利益DI」(第4表)をみると、「運輸・倉庫業」「建設関連業」「小売業」「卸売業」などのマイナス幅が大きくなっています。特に「小売業」は、「売上DI」と「経常利益DI」との差が目立ち、利益を削っても価格を安くし、他社との競合に勝って売上げを確保しなければならない現実を反映しています。

3.「景気はむしろ悪くなっている」との回答が3割を超える

 「景況感」(第5表)では、「景気はむしろ悪くなっている」と回答した企業が、全道で33.1%、「景気回復の実感はない」と合わせると85.3%に達し、北海道経済好転のきざしはなかなか見えません。「むしろ悪くなっている」と答えた企業の割合は「札幌以外」が「札幌」より15.7ポイントも多くなるなど、「札幌」と「札幌以外」の格差が広がっています。

4.業種によって差が目立つ経営上の悩み

 「経営上の悩み」(第6表)をみると、「建設業」「小売業」「サービス業」では「売上不振」が一番多く、「製造業」が「原材料仕入価格上昇」、「卸売業」は「販売価格、受注価格下落」、「運輸・倉庫業」は「経費増加」が最も高くなっており、業種によって差が目立ちます。

5.経営指針を確立し、人材力、営業力、商品力を高めて売上と利益率のアップをはかる

 「経営の重点方針」(第7表、全道)では、「営業力・商品力を強化し、売上を伸ばす」(36.8%)「特徴ある商品や選別受注で利益率を高める」(29.1%)「経営指針の確立と社員のレベルアップ」(27.5%)の順になっています。
 業種別にみると、「その他」を除くすべての業種で「売上を伸ばす」が第1位になっていますが、第2位が業種によって差があります。「製造業」「小売業」「サービス業」では「利益率を高める」が、「建設業」「卸売業」「運輸・倉庫業」では「経営指針の確立と社員のレベルアップ」が第2位となっています。「経営指針の確立と人材力、営業力、商品力のアップ」で展望をきり開きたいものです。
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