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「景気回復」の見通しが立たない中で、企業の総合力を高め難局を突破 調査データ・資料
「景気回復」の見通しが立たない中で、企業の総合力を高め難局を突破〜道内中小企業の経営実態調査結果〜

 この調査は、当会会員企業(会員数4,798社)の中から1,500社を地域、業種を勘案のうえ、無作為抽出して2003年10月下旬にアンケートを発送11月20日までに回答のあった295社についてまとめたものです。
 なお、回答企業の平均資本金(全道)は、4,065万円、平均従業員数(全道)28,8人となっています。

1.「10〜12月期」はさらに厳しく〜「売上DI」は札幌と札幌以外で差

 売上DI(前年同期と比較した「増加」企業の割合から「減少」企業の割合を差し引いた数値)をみると、全道で「4〜6月期」マイナス21,7、「7月〜9月期」19,7とやや好転しているものの「10〜12月期予想」ではマイナス24・3と再び悪化しています。「札幌」では期を追うごとに改善傾向を示していますが、「札幌以外」では「10〜12期予想」が再び悪化傾向を示しており、より厳しくなっています。
 一方「過去3カ年の売上DI」をみると、「全道」で改善の傾向を示しているものの、昨年との比較ではマイナス幅の減少はわずかであり、回復基調にあるとは必ずしも言えません。
 「業種別売上DI」(第2表)では、「小売業」「運輸・倉庫」「建設関連業」のマイナス幅が大きく、消費の不振、公共事業の減少などを反映した結果になっています。

2.「利益確保」に苦労

 「地域別経常利益DI」(第3表)の「全道」をみると、「売上DI」よりマイナス幅は大きく、価格競争が一層激化していることを伺わせます。「業種別経常利益DI」(第4表)をみると、とりわけ「建設関連業」のマイナス幅が大きく、「10〜12月期予想」では「卸売業」「小売業」のマイナス幅がより広がり、不況に異常気象が加わって年末商戦がより厳しくなるとみているようです。

3.「景気回復」の兆しは見えず

 「景況感」(第5表)では、「全道」で「景気がよくなった実感はない」「むしろ悪くなっている」を合わせると92,0%になり、「景気回復の兆候」は感じられません。ただ、札幌では「やや回復してきた感じがする」が11,4%と2ケタを越え、「札幌以外」に比較してやや良いようです。

4.業種によって若干の差がある経営上の悩み

 「経営上の悩み」(第6表)をみると、業種によって若干の差があります。「建設関連業」「運輸・倉庫業」では、「販売価格・受注価格の下落」が30%を越え際立っています。「小売業」「建設関連業」「卸売業」「サービス業」では、「売上不振」の高さが目立っています。「人材不足」は、「製造業」「小売業」で比較的高くなっています。
 「原材料、仕入価格上昇」は、「製造業」が13,0%で、「経費の増加」は「運輸・倉庫業」が13,3%と他業種よりかなり高く、「資金調達難」は「サービス業」が9,5%と比較的高くなっています。

5.営業力、商品力を高め、利益率をアップする〜経営の重点方針〜

 「経営の重点方針」(第7表、全道)では、「営業力・商品力を強化し、売上を伸ばす」(35,2%)「特徴ある商品や選別受注で利益率を高める」(32,3%)「経営指針の確立」(26,7%)の順になっています。
 しかし、業種によって微妙な差があります。「建設関連業」「製造業」では、「経営指針の確立」が第2位になっています。「卸売業」は、「特徴ある商品や選別受注で利益率を高める」が40,4%とトップとなり、「小売業」「運輸・倉庫業」では、「営業力・商品力を強化し、売上を伸ばす」が40%前後と他業種よりかなり高くなっています。
 積極的で攻撃的な経営で難局を突破するカギは、総合的人材力にあります。情勢を深く読み、人育てにさらに力を入れたいものです。

※一覧

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第1表-a 2003年4月〜12月の売上DI

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第1表-b 過去3カ年の売上DI

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第2表 2003年4月〜12月の業種別売上DI

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第3表 2003年4月〜12月の地域別経常利益DI

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第4表 2003年4月〜12月の業種別経常利益DI

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第5表 地域別の景気の現状について (単位:%)

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第6表 業種別の経営上の悩み(全道)(2項目選択) (単位:%)

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第7表 業種別の経営の重点方針(全道)(2項目選択) (単位:%)
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